印象深い結婚の話

今までの人生、それなりに結婚というものに接してきたが、思い返してもあれは驚いたなあ、と思う結婚が一つある。

大学時代の先生の結婚だ。

私は某文系私大を卒業したが、彼はそこの准教授だった。専門は古典文学。内容もしっかりしているし面白くないわけではないのだが、どうにも眠気を誘う語り口で、彼の授業では学生はつい眠りの国にいざなわれたものだ。

当時既に30代の半ばを過ぎていたが、恋人の気配もなく独身。悪い人ではないのだがどうにも女あしらいが下手そうで、過去想い人に『和歌を作って告白した』という晩生っぷりの持ち主(勿論成就しなかった)。まわりにお見合いおばさんがいるわけでもなく、これなら独り身も無理はない、と皆が思っていた。



その彼が結婚する、というニュースを聞いたのが、大学を卒業して2年ほどたった時だ。友人が彼のゼミの卒業生で、『結婚祝いをなんにしよう』と話をされたのである。

初耳の一同、仰天。

お見合いか何かで知り合ったらしいのだが、

『奥様はどんな方ですか?』

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とゼミ生OBに訊かれて、

『普通のおばさんですよ…』

と照れていたらしい。

今思い出しても、あれは心温まる結婚ニュースだった。

もしももっと早くに結婚していたら、ひょっとしてうまくいかなかったかもしれない。先生も多分奥様も、このタイミングだからこそ素敵に出会って結ばれることができたのだと思う。

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結婚は縁のなせるもの。

焦ってつなごうとしてもうまくはいかないものだ。焦燥することなくゆったり構えていれば、いつか思わぬところで良き相手にたどり着けるはずである。